安藤夫妻のワインエキスパートへの道

フランス料理「匠・奥村」調理兼ソムリエ。'07JSA認定資格に合格、料理・サービス・ソムリエの3つの顔を持つ奇才。88年より渡独し、数々のミシュラン格付レストランで部門シェフ、副料理長として活躍。97年ドイツ日本国総領事館付公邸料理人。03年帰国後は京都に滞在、06年より祇園「おくむら」勤務を経て現在に至る。
第4話 抜け落ちていく記憶……そして安藤家流スランプ脱出法(2010.6月)

見出し6月といえば梅雨、衣替え、ジューンブライド。しかし井上塾で6月といえば中間試験です。安藤家では中間試験を中期的なターゲットとし、ここまでに出題範囲であるワイン概論〜フランスまでを完成させようと考えました。2人ともまずまずの結果を残し、一安心。誤算だったのは勉強をし過ぎてイタリアの勉強を始めたころに軽い燃え尽き症候群に陥ってしまったことです。同時に一度覚えた知識が抜け落ちていくようになったから、さあ大変。このころから一問一答に加えて「10分間20問」のスピード演習が始まりましたが、これらがあったから多少は歯止めがかかっていたと思います。

見出し 単語カードでもダメ。白地図に赤でDOC、DOCGを書き込み、井上塾の赤いクリアファイルで隠してもダメ。まったく頭に入りません。伊語独特の語感を受け付けられなかったせいもあります(同様の理由でドイツが苦手な人もいるようです)。疲れから2人とも体調を崩しがちで、肉体的にも精神的にも辛い時期でした。それを乗り越えられたのは、安藤家名物(?)「夫婦で一問一答」があったからでしょう。夫婦といえども気合いが入りますし、間違えればやはり悔しい。集中力が途切れたときにやると効果てきめんでした。

見出しクラスメートの存在も大きかったと思います。言葉を交わすのはテイスティンググラスを洗う時位でしたが、葡萄のバッジを着けているのが当たり前というレストランで働くソムリエや、経営の仕事もあるオーナーなど、それぞれがプレッシャーや時間と戦いながら勉強していることは伝わってきました。エキスパート志望の塾生にも医師や公認会計士、子育て中の主婦など、自分たち以上に多忙だと思われる方もおられたので「忙しいから勉強できない」という言い訳は出来ませんでした。

見出しスペインを過ぎ、ドイツに差し掛かるころにはスランプを脱出することができました。ただし一度縄を握る手の力を緩めれば落ちていくのはあっと言う間。元の高さまで戻り、更に上に登らなければならないため、通常の倍のエネルギーが必要です。私たちもイタリアでのツケが最後まで尾を引きました。未だにあの国は鬼門です。

見出しただ、勉強ばかりしていたわけではありません。「ノムリエ講座 特別編」(という名のワイン会)にも4月と6月に参加しましたし、授業の後は気分転換に飲みに行っていました。塾生のお店にお邪魔したこともあります。まあ、それも6月までの話だったのですが……

次回につづく・・・
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